今回はもし自分が働けなくなってしまって障害になったら生活はどうなってしまうんだという不安もあり,自身の収入保証保険の見直しも事もあったので障害年金について色々調べてみました。
障害年金の受給額についてはまずは障害年金の受給要件と構造について理解しておく必要があるのでまずはその部分から解説したいと思います。
目次
障害年金の受給要件について
障害年金に受給については加入義務がある国民年金(自営業の方)、厚生年金(会社員の方)、共済年金(公務員等)に加入し、なおかつ以下の要件を満たす事で毎月受給が可能となっています。
また、障害年金を受給するためには原因となる病気や怪我である事を始めて診断されてから1年6ヶ月が経過している事が条件となっています。
次に障害年金の構造について解説します。
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障害年金の構造について
障害年金の受給については国民年金・厚生年金・共済年金の加入によって上乗せ分が変わる仕組みとなっており,これについては65歳以上から受給可能な老齢年金、世帯主が亡くなってしまった家族が受け取る遺族年金についても同様の構造となっています。
国民年金基金及び厚生年金基金(企業によって加入)については任意加入ですので大半の方は未加入かと思います。公務員の方は共済年金になるわけですが、共済年金のみ職域加算分があり厚生年金よりももらえる額が多くなります。
受給の計算式を順に説明すると、加入している年金に応じて段階的に計算する仕組みとなってますので解説します。
障害基礎年金
これについては全ての方が受給できる基礎年金部分になります。自営業の方は任意で加入する国民年金基金に加入していなければ、この障害基礎年金の部分しか受給できません。また、この基礎年金部分に生計を共にしている18歳未満の子供がいる場合は人数に応じて一定額が加算されます。
障害厚生年金
主に会社員の方は,障害基礎年金及び子供の加算額に加えて更に報酬比例分と配偶者加給分が上乗せされます。
障害共済年金
これについては共済組合の加入である国、地方公務員、私立学校の教職員組合の方などが対象です。障害厚生年金に更に職域加算分として上乗せされますので障害厚生年金の額より毎月数万円程度高くなるようです。
次に気になる障害年金の受給額について解説します。
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障害年金の等級別年金額の計算
障害基礎年金の算出
障害基礎年金の算出は以下の計算式となっています。この障害基礎年金については障害等級1級及び2級の方のみ受給できます。
1級 779,300 × 1.25 + 子の加算
2級 779,300 + 子の加算
【子の加算額の計算式】
224,300円(1人目)
224,300円(2人目)
74,800円(3人目以降)
参考元:障害基礎年金の受給要件・支給開始時期・計算方法(日本年金機構)
上記の障害基礎年金の計算式に当てはめた計算式と毎月の受給額(家族構成別)は以下の通りです。
障害基礎年金の受給計算式
算出例:夫が障害等級1級で子供が3人いる家庭の場合
(779,300 × 1.25)+(224,300×2+74,800×1)=1,497,525円(月額124,793円)
障害基礎年金受給額表(家族構成別)
家族構成 | 1級 | 2級 |
---|---|---|
妻のみ | 8.1万円 | 6.4万円 |
妻と子(1人) | 9.9万円 | 8.3万円 |
妻と子(2人) | 11.8万円 | 10.2万円 |
妻と子(3人) | 12.4万円 | 10.8万円 |
次に会社員の方が受給できる障害厚生年金の計算式について解説します。
障害厚生年金の計算式
前談の障害基礎年金に加えて以下の計算式を元に算出された報酬比例分と配偶者がいる場合はその分が加算されます。障害等級別の計算式は以下の通りです。
(報酬比例の年金額) × 1.25 + 〔配偶者の加給年金額(224,300円)〕
【障害等級 2級】
(報酬比例の年金額) + 〔配偶者の加給年金額(224,300円)〕
【障害等級 3級】※障害基礎年金の支給はなし
(報酬比例の年金額) 最低保障額 584,500円
ここで確認しておきたいたい点として報酬比例の年金額に障害等級1級の場合は1.25倍加算されます。
障害等級3級については障害基礎年金の支給はなく、障害厚生年金のみの受給となりますのでご注意ください。
じゃあ3級なら社会復帰できて働けるレベルなのかというとその辺も疑問なので障害等級別の主な障害については以下を確認ください。
次に障害厚生年金における特に重要な報酬比例の部分の計算式を解説します。
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報酬比例分の計算式
報酬比例分の計算方法として平成15年3月までの加入した月数分と平成15年4月以降に加入した月数分を足して計算されます。平成15年4月以降に厚生年金に加入した場合は2のみの計算となります。
平均標準報酬月額(※1)× 7.125 / 1000 × 平成15年3月までの加入月数(※3)
2.平成15年4月以降の加入
平均標準報酬額 (※2)× 5.481 / 1000 × 平成15年4月以降の加入月数(※3)
※1:平均標準報酬月額とは、平成15年3月までの被保険者期間の計算の基礎となる各月の標準報酬月額の総額を、平成15年3月までの被保険者期間の月数で除して得た額
※2:平均標準報酬額とは、平成15年4月以後の被保険者期間の計算の基礎となる各月の標準報酬月額と標準賞与額の総額を、平成15年4月以後の被保険者期間の月数で除して得た額(賞与を含めた平均月収)
※3:被保険者期間が、300月(25年)未満の場合は、300月とみなして計算
参考元:障害厚生年金の受給要件・支給開始時期・計算方法(日本年金機構)
障害厚生年金受給額(年額)の計算
算出例:夫の平均標準報酬額400,000円で障害等級1級で子供が3人いる家庭(平成15年4月加入)
400,000 ×( 5.481 / 1000 )× 300 × 1.25 + 224,300=1,046,450(月額87,204円)
上記算出を元にした障害基礎年金を含む障害厚生年金の家族構成別受給月額は以下の通りです。
障害厚生年金受給額表(家族構成別)
家族構成 | 1級 | 2級 | 3級 |
---|---|---|---|
妻のみ | 16.8万円 | 13.8万円 | 7.3万円 |
妻と子(1人) | 18.7万円 | 15.7万円 | 7.3万円 |
妻と子(2人) | 20.5万円 | 17.5万円 | 7.3万円 |
妻と子(3人) | 21.1万円 | 18.2万円 | 7.3万円 |
いかがでしょうか。障害基礎年金のみの受給額よりもグンと貰える額が増えます。3級のみ障害基礎年金はありませんので障害厚生年金で上乗せされる分のみの受給になります。
今度は更に職域加算分が上乗せされる公務員の方々の障害共済年金についてもご紹介します。
共済障害年金の計算式
職域加算分についても障害厚生年金の考え方と同様に報酬比例分に対する計算を行います。
平均標準報酬月額(※1)× 1.425 / 1000 × 平成15年3月までの加入月数(※3)
2.平成15年4月以降の加入
平均標準報酬額 (※2) × 1.154 / 1000 × 平成15年4月以降の加入月数(※3)
※1:平均標準報酬月額とは、平成15年3月までの被保険者期間の計算の基礎となる各月の標準報酬月額の総額を、平成15年3月までの被保険者期間の月数で除して得た額
※2:平均標準報酬額とは、平成15年4月以後の被保険者期間の計算の基礎となる各月の標準報酬月額と標準賞与額の総額を、平成15年4月以後の被保険者期間の月数で除して得た額(賞与を含めた平均月収)
※3:被保険者期間が、300月(25年)未満の場合は、300月とみなして計算
これについても障害厚生年金の考え方と同様で平成15年3月以前と4月以降の計算式が異なりますので該当する場合は別途計算を行う必要があります。障害等級1級のみ報酬比例分に対して同様に1.25倍されます。
また計算を元にした家族構成別の受給額は以下の通りとなりました。
障害共済年金受給額(年額)の計算
算出例:夫の平均標準報酬額400,000円で障害等級1級で子供が2人いる家庭(平成15年4月加入以降で180月月加入)
400,000 ×( 1.154 / 1000 )× 300 × 1.25 =311,580(月額25,965円)
上記算出を元にした障害基礎年金及び障害厚生年金(配偶者加給金を含む)を含む障害共済年金の家族構成別受給月額は以下の通りです。
障害共済年金受給額表(家族構成別)
家族構成 | 1級 | 2級 | 3級 |
---|---|---|---|
妻のみ | 18.6万円 | 15.2万円 | 8.7万円 |
妻と子(1人) | 20.4万円 | 17.1万円 | 8.7万円 |
妻と子(2人) | 22.3万円 | 19.0万円 | 8.7万円 |
妻と子(3人) | 22.9万円 | 19.6万円 | 8.7万円 |
いかがでしょうか?それぞれの年金制度の構造と仕組みについて理解できたかと思います。
でも実際問題として家族がいて幼い子供がいる場合、奥さんがフルで働ける訳もなく、ましてや年金だけ暮らせる訳もありませんので別途定期死亡保険や収入保証保険も組み合わせるのがベストと言えるかと思います。
最後に
いかがでしたでしょうか。もしもの時の備えがどれ程必要なのかイメージできましたでしょうか。自身で調べる事ができれば保険の見直しの際の参考情報ともなり無駄な保険料を払う必要がなくなります。
どうしても保険の契約については保険屋さんの個人的な意見が反映されがちでそのまま契約に流れてしまうケースも多いのではないでしょうか。
先日も8年近く前に契約した収入保証保険を見直した際に、以前はこれは若くして契約したものなので解約しない方がいいと言われていたいたのですが、よくよく自分で調べると4割ほど安くなる事がわかりました。
保険屋さんは自分の生活水準であるとか収入額がいくらであるなどの背景をわかっているわけではないのでやはりどうあるべきかは自分で決めるべきかと思います。
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